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タクシー会社で働く自動車整備士の主な仕事内容
整備士の中にはディーラーや整備工場ではなく、タクシー会社に就職してタクシー専門の整備士になる道を選ぶ人もいます。タクシー整備士にはどのようなスキルが求められ、またどうすればその職に就くことができるのでしょうか。ここではタクシー会社で働く自動車整備士についてご紹介します。
タクシー会社で働く自動車整備士の仕事内容
タクシー会社のメカニック部門で働く整備士は、自社の整備工場内で、タクシー車両の点検および整備を担当します。
タクシーの整備では、日常点検と一定期間ごとの定期点検を行うことが一般的で、日常点検ではマニュアルに従ってエンジン、タイヤ、ブレーキなどに異常がないかを確認します。運転手に車の状態を聞いて、気になる部分があればそこを重点的にチェックします。
定期点検は、道路運送車両法に基づく3ヶ月ごとなどの点検や、タクシー会社が独自に定めた期間ごとの点検を行うものです。また、軽くぶつけてしまったなどで破損した場合、板金修理や板金塗装が作業に加わることもあります。
さらに、新車や中古車をタクシー仕様にするために、タクシー架装と呼ばれる作業を行うこともあります。例えば屋根の上の社名表示灯の取り付け、車体への文字入れ、オートドアへの改造、メーター類の取り付けなどがそれにあたります。最近ではLPガス(ハイブリッド)燃料システムを使うLPG車への改造を行うケースもあります。
タクシー会社の整備士が通常の自動車整備士と違う点
まず、タクシーは圧倒的に走行距離が長いため、ブレーキパッドやランプなど消耗品の交換作業が非常に多くなります。部品を取り外して中の消耗品を交換するといった形の分解整備も頻繁に行うことになるでしょう。
また、メーターやオートドアなど、タクシーならではの装備品に関する知識も習得していく必要があります。最近では車両にタブレット端末を備え付けるなど、タクシーのIT化も進んでいるため、そうした最新技術にも対応していかなくてはなりません。
通常のディーラーなどでの整備の仕事では、自動車のパーツごとに担当が分かれることがよくありますが、タクシーの場合は最終的に1人で1台を担当するというケースが多いようです。これはその分、より総合的な知識と技術が求められることを意味します。整備士が、自身の担当するタクシーの安全性について、より重大な責任を持つことにもなります。
タクシーの整備士になるには
タクシー会社が整備士の採用を行っているので、そこへ応募する形が一般的です。自動車整備士資格の3級または2級以上が応募要件とされていることが多く、新卒も中途も、それぞれを対象とした採用が行われています。中途採用の場合、タクシー業界での整備士経験が問われることはあまりなく、一般的な整備士としての知識と技術があれば評価されるでしょう。
あるいは、タクシー整備を請け負っている自動車整備工場に入社する道もあります。その場合は事故などで破損した車両の修理や車検をメインに行うことになります。
タクシー会社の整備士には一般的な整備に加えて、専門的な知識や技術が求められます。それらを身につけることで、タクシー整備士としてのスキルと評価を高めていくことができるでしょう。また、経験を積んでいけばチーフや工場長へとキャリアアップしていくことも可能です。就職先の一つとして、タクシー会社を候補に入れてみてはいかがでしょうか。