自動車の新技術! 次世代の整備士に求められる知識

自動車の新技術! 次世代の整備士に求められる知識

近年、自動車に関する技術は驚異的なスピードで進化しています。現在注目されている新技術としては、電気自動車と自動運転に関するものがありますが、それらはどのようなものなのでしょうか。ここでは、次世代の整備士が知っておくべきテクノロジーについて解説します。

電気自動車

電気自動車は電気モーターを動力源とする車で、外部から電力を充電して走る、二次電池式が一般的です。英語では「Electric Vehicle」と書き、EVと略されることもあります。近年、電気自動車は排気ガスを排出しない、環境に配慮した車として注目を集めていますが、その他にもさまざまな特徴を持っています。

まず長所としては、ガソリンエンジンによる駆動よりも振動が少なく、静かでスムーズに走ること、家庭にある電源規格でも充電が可能なこと、動力源を暖める必要がないため、冬でも簡単にエンジンをかけられること、ガソリンやオイルを用いないため衝突事故などがあっても炎上や爆発などの二次被害が起こりにくいことなどが挙げられます。さらに、電気自動車に充電された電力は他の電気製品にも利用できるため、停電など緊急時のバッテリーとして活躍できることも魅力です。

短所は、自宅充電ができるとは言え、専用の電源設備が必須なこと、1回の充電で可能な航続距離が、ガソリン車やディーゼル車と比べて短いこと、通常の電源設備では充電時間が20分ほど、高圧大電流の電源設備を利用しても充電に5分程度かかり、今のところガソリンの給油時間と比べて、充電時間が長いことなどです。

レンジエクステンダーEV(レンジエクステンダー型EV)


レンジエクステンダーEVは、航続距離を延長する装置を搭載した電気自動車のことです。レンジ(Range=距離、範囲)とエクステンド(Extend=伸ばす、拡張する)という意味の単語が組み合わさっています。この装置は、主にエンジンを用いた発電装置とされます。現在の電気自動車は、航続距離が短いという短所を抱えていますが、これを補うために、レンジエクステンダーを搭載し、航続距離を伸ばしています。

レンジエクステンダーEVでは、外部充電をメインに電気モーターへの充電を行います。しかし、航続距離が長くなってバッテリー残量が少なくなったときには、ガソリンエンジンで発電することができます。この小さなエンジンは駆動用ではなく発電用に特化したもので、電気自動車をより実用的な車にするために考え出された方法と言えます。

プラグインハイブリッド(PHV)

プラグインハイブリッドについて説明する前に、ハイブリッドカーとはどのようなものかを知っておきましょう。
まず、ハイブリッドカーとは2つ以上の動力源を持った車のことです。現在、一般的なのはガソリンなどの化石燃料を使うエンジンと、電力を使う電気モーターの2つを備えたハイブリッドカーです。

プラグインハイブリッド(略称:PHV)は、ハイブリッドカーの中でも、家庭用の電源(専用配線とコンセント)から直接、充電を行うことができるものです。
すでにPHVはさまざまなメーカーで販売されており、国内外でPHVモデルの車が展開されています。

先進運転支援システム(ADAS)

これまでは電気自動車に関連する技術について紹介しましたが、続いては自動運転に関する技術について説明します。

先進運転支援システム(ADAS)とは、先行する車との車間距離を保ったまま追従する、追突しそうなときには自動的にブレーキを作動させる、車線からはみ出さないようにステアリング制御をする、といった機能を実現するシステムのことです。つまり、事故などの危険を検知して回避するシステムと言えます。

ADASは自動運転に直結する技術として開発され、すでに一部の自動車で採用されています。具体的には、自動車にカメラやセンサーを取り付け、道路の状況を認識し、危険と判断されたときに各種制御を行います。
なお、ADASはエーダスと読み、「Advanced Driving Assistant System」の略称です。

コネクテッドカー

コネクテッドカーは、車に搭載したセンサーによって車両や道路などのデータを取得し、ネットワークに集めて分析、その結果を各ドライバーにフィードバックする機能を持った車のことです。
なお、総務省ではコネクテッドカーを「ICT端末としての機能を有する自動車のこと」と表現しています。ICTとはITとほぼ同義で、「Information and Communication Technology」の略です。

コネクテッドカーをより簡単に言えば、車に関する情報を集めたネットワークにつながる車のことです。車をネットワークにつなぐメリットはいくつかありますが、車の走行データや位置情報、渋滞や事故が多い道路のデータを共有することで、盗難車両の追跡、危険運転を行うドライバーの傾向分析や数値化、危険回避のための情報提供などに活用できます。

コネクテッドカーのシステムが発展すれば、事故が発生したときに自動で緊急通報システムが作動し、従来よりも迅速に救助活動を行うこともできると考えられています。また、コネクテッドカーは将来的には、自動運転システムが普及した時代の交通システム最適化に役立つ技術となることが期待されています。

自動車の新技術は自動運転の実現などを目標として新しい時代を迎えようとしています。整備士に求められる技術、知識も大きく変化していくでしょう。次世代を担う整備士が今まさに必要とされています。

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