進化する自動運転の技術! 自動で走る仕組みとは?

進化する自動運転の技術! 自動で走る仕組みとは?

日本では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに実現することを目標として開発が進められている自動運転システム。車が自動で走るための基本的な仕組み、そして今、注目されているキーとなる技術について解説します。

自動運転の仕組み

「認知」、「判断」、「操作」の3つの処理を連動して行う、というのが自動運転の基本的な仕組みです。

まず、「認知」とは周囲の状況を検知することです。特にミリ波レーダーセンサーと呼ばれる技術は進歩がめざましく、現在すでに衝突予防システム、先行車両との車間を調整するシステム、車線からの逸脱を防止するシステムにも採用されています。

「判断」は、検知によって得た情報から、どう車を動かすか意思決定を行うことです。この判断は人工知能(AI)技術の活用が待たれるところですが、今のところは「ルールベースシステム」という手法が使われています。これは交通ルールとも重なる明確なルールを数多く用意し、それらに基づくアルゴリズムによって判断を下すというものです。

そして、「制御」は、認知と判断の結果を元に、自動で車の運転操作を行うことを指します。現在は、ある程度までの運転走行を制御する「半自動運転」が実現していますが、今後、実現すると考えられる完全自動運転では、車に乗る人はほとんど運転について関与せず、自動運転システムが車を動かすことになると予測されています。

自動運転を実現する技術

ここでは、自動運転を実現するためのキーとなる技術として、現在、注目されているものをいくつか紹介しましょう。

ダイナミックマップ

直訳すれば「動的地図」。高精度の三次元空間情報を持つデジタルマップのことです。カーナビなどに使用される3D地図だけでなく、交通事故、渋滞、周辺車両の進行状況、天候といった時間の経過によってリアルタイムに更新される情報を組み込んだマップデータです。日本では2016年6月に国内自動車メーカー9社と地図・測量メーカーなどが合弁で「ダイナミックマップ基盤企画株式会社」という会社を設立し、研究開発を進めています。

高度道路交通システム(ITS)

人と道路と自動車という3者間で情報をやり取りして分析・処理を行うことで、事故や渋滞を解消し、さらに省エネや環境対策も実現しようというシステムです。自動運転との関連では、ITSとの相互連携によって道路交通の最適化が行われることが大きな恩恵となるでしょう。

人工知能(AI)

自動車メーカー、IT企業など世界中の多くの企業が急ピッチで開発を進めている技術です。自動運転システムにおいては、AIはまさにシステムを司る頭脳として機能します。中でも注目されているのは、「ディープラーニング」と呼ばれる技術です。これはAIが自らネットワークなどから情報を取得し、学習することで判断の精度を高めていくというもので、自動運転システムにもこの技術が活用される可能性があります。

バイワイヤ化

バイワイヤとは「by wire」、ワイヤは電線のことを意味し、自動車における機械式制御を電気信号に置き換えて制御する技術を指します。もし、車を電気信号で制御できるようになれば、AIが自動運転における「操作」を行いやすくなります。
つまり、バイワイヤは「認知」、「判断」、「操作」の間をつなぐ「伝達」をスムーズに実現するために必要な技術といえるでしょう。

自動運転に関する技術競争は激化しており、数年後には、さらに自動運転の仕組みを根幹から変化させるような進化・変革が起きる可能性もあり得ます。どのような新技術が登場するのか、今後の動向にもぜひ注目してください。

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