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整備士からのキャリアアップ! 自動車検査員の試験内容
自動車検査員は、車検で整備された車の最終検査を行う者を認定するための国家資格です。自動車整備士と深い関わりのある資格でもあります。その仕事内容やキャリア、試験内容についてご紹介しましょう。
自動車検査員とは
自動車検査員とは、指定自動車整備工場(民間車検場)において、車検のために点検整備を終えた車両が、「道路運送車両法」が定める保安基準に適合しているかどうかを判断する業務を行う者、及びそのための国家資格です。
指定自動車整備工場は、国の検査場に代わって車検を実施し、保安基準適合証を交付できる工場です。指定自動車整備事業を行うには国が定めた基準があり、その中に自動車検査員を選任すること、また、工員は4人以上、うち2人以上かつ1/3以上は自動車整備士の資格を有することという条件が含まれています。
自動車検査員の仕事内容とキャリア
自動車検査員は自動車の整備が間違いなく行われていること、保安基準に適合していることなどを確認し、最終判断を行う役割を担います。
仕事内容は、車検用車両の受け入れ、検査における作業指示と監督、車検検査業務、計測機械を用いた完成検査、保安基準適合証への証明を行う書類の作成、指定整備記録簿への検査結果記載などです。また、検査設備の管理・点検、法令や通達の把握と伝達といった業務も担当します。
キャリアアップとしては、まず2級(1級)自動車整備士から自動車検査員になり、その後、チームリーダーや技術トレーナーを経て工場長などの役職に就くコースが考えられます。工場長は車検業務の指導に携わるほかに、業務マネジメント、人事マネジメントも行います。
自動車検査員の受験資格
自動車検査員は、地方運輸局長が行う自動車検査員教習を受講し、修了試験(教習試問)に合格することで資格が取得できます。修了試験の受験資格は次のとおりです。
- 整備主任者として1年以上の実務経験を有する者
- 指定自動車整備事業の指定を受けている、または受けようとしている事業場に従事している、または勤務を予定している者
- 自動車検査員教習を修了している者
自動車検査員の試験内容
自動車検査員教習は各地方運輸局が行うものです。検査関係、整備関係、完成検査の実務などについて、数日間に分けて教習が行われます
修了試験では法令、通達に関する基本知識と、自動車検査員としての実務上必要な知識について出題されます。実務上必要な知識としては、点検基準、自動車検査用機械器具の取扱い、自動車点検基準及び保安基準などが挙げられます。
自動車検査員を取得するメリット
車検を自社工場内で行うことができる指定自動車整備工場(民間車検場)では、自動車検査員の配置が義務づけられています。
また、自動車検査員は業務独占資格に該当し、ほかの作業員やほかの資格取得者は自動車検査員が担当する業務を行うことはできません。さらに自動車検査員は本来、国が行う業務を代行する立場となり、法令によって「みなし公務員」としての待遇を受けます。刑法その他の罰則の適用などについては公務員と同様となります。
自動車検査員には、自動車の安全を確保するための大きな権限と責任が与えられているということです。この資格を取得すれば一定の需要が見込めると同時に、整備士からのキャリアアップを図ることができるでしょう。
車検を行う指定自動車整備工場に必要不可欠な存在である自動車検査員。整備士としてのこれまでの経験を生かすためにも、取得を目指してみてはいかがでしょうか。