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知っておきたいエンジンの構造! 2気筒、4気筒で何が変わる?
2気筒、4気筒……といった言葉を聞いたことがある人は多いはずです。しかし気筒とは一体何のことを指しているのか、はっきり答えられるでしょうか。エンジンの構造を知るために欠かせない気筒に関する知識をご紹介します。
気筒とは
気筒とは、エンジンの燃焼機関となる金属製の筒のことです。シリンダーとも呼ばれます。最もポピュラーなエンジンであるレシプロエンジンは、シリンダーとピストンを組み合わせた、注射器に似た構造をしています。
気筒数による違い
気筒数とは「シリンダーの数」のことです。シリンダーが1つのみのエンジンは単気筒と呼ばれます。以降、2気筒、3気筒……と気筒数は増えていきます。現在の軽自動車は3気筒が主流です。乗用車では2気筒から8気筒が一般的です。基本的に大型車やスポーツカーでは気筒数が多く、排気量も大きくなります。
気筒数が増えると高回転時の出力が上がり、最高速度が高くなります。反面、低速での加速性能は悪くなり、燃費効率も落ちます。また、構造が複雑になるのでメンテナンスが難しくなり、車自体の価格も高くなります。
配列による違い
シリンダーの配列の仕方にも種類があります。主なものは次のとおりです。
直列型エンジン
すべてのシリンダーがシンプルに同じ方向に並んでいる形のエンジンです。多気筒でも比較的構造が簡単にできるので、メンテナンスがしやすいというメリットがあります。ただ、気筒数が多くなると全長が長くなり、ピストンの往復運動を回転運動に変えるクランクシャフトも長くなって、ねじり振動と呼ばれる振動が起きやすくなります。ただし、「直列6気筒」のみは振動や騒音が少ないことで知られています。
V型エンジン
シリンダーを左右交互にVの字型に配置したエンジンです。乗用車では6気筒以上で採用されることが多く、V6、V8、V10、V12などと呼ばれます。多気筒でもクランクシャフトが短くできるため、コンパクトな設計が可能で、ねじり振動も抑えられます。
V型エンジンはF1などのフォーミュラーカーのエンジンに多く採用されてきた歴史があります。とくにV8(V型8気筒エンジン)はアメリカの車に好んで使用されてきました。V12は高級車やスーパーカーに採用されることが多いエンジンです。
水平対向型エンジン
シリンダーを水平に並べた配列のエンジンで、原理としてはV型の角度を180度にした形となっています。ピストンがボクサーのパンチのように動くため、ボクサーエンジンと呼ばれることもあります。
振動が少なく、車体の重心を低くできるというメリットがありますが、コストが高くなります。採用している車はそれほど多くありませんが、国産ではスバル、海外ではポルシェの車に搭載されていることで知られています。
エンジンについて知ることは、車の基本構造を知ることにつながります。エンジンには気筒の数や配列以外にもさまざまな重要な要素があります。車のことをもっとよく知るために、上で挙げたエンジンの種類から始めて、さらに知識を広げていきましょう。