モータースポーツに携わる仕事の種類

モータースポーツに携わる仕事の種類

F1を頂点とするフォーミュラーカーレースなど、モータースポーツの世界に憧れを抱いている人は多いでしょう。モータースポーツに携わる仕事にはどのようなものがあるのか、代表的な3つの職業について紹介します。

レーシングドライバー

レーシングドライバーとしてレースに参加するには普通自動車免許のほかに、JAF(社団法人 日本自動車連盟)が発給する「競技運転者ライセンス」を取得する必要があります。同ライセンスのうち、「国内B級ライセンス」を取得するとサーキットトライアル等に出場でき、「国内A級ライセンス」を取得すると国内で行われるほとんどのレースに出場できるようになります。海外のレースに出場するには、さらに国際ライセンスを取得します。

ただし、ライセンスがあるだけではレーシングドライバーにはなれません。プロのレーシングドライバーになるには、レーシングチームとドライバー契約を結ばなくてはなりません。契約へ至るための方法としては、スポンサーを見つけて支援してもらうか、レーシングスクールに入校して実力をつけるかなどがあります。
スポンサーがつくのは、幼い頃からレーシングカートに参加し実績を積んできた人や、プライベートチームでレースに参戦し頭角を現してきた人などが多いようです。
レーシングスクールに通う場合は、レーシングドライバーを目指す人のための上級コースで学び、成績優秀者は本格的なレースに参戦するチャンスを与えられます。いずれにしろ、努力と才能、そしてある程度の資金が必要になるでしょう。

レーシングカー設計者

通常、市販車の設計は自動車メーカーの開発部署で行います。では、レーシングカーの場合はどうでしょう? 国内には数は少ないものの、レーシングカーの開発・製作をメインに行っている会社(コンストラクター)があります。また、自動車関連企業の中にも、モータースポーツ部門が設置されているところがあります。レーシングカーの設計者になるなら、これらの企業に就職し、希望部署に配属されるのが最も可能性のある道でしょう。
ほかにはレーシングドライバーやメカニックとして経験を積んだ人が、その後、設計に携わるようになるケースもあるようです。

設計者に求められる知識やスキルは多岐にわたります。自動車工学、機械工学はもちろん、流体力学、構造力学、工業デザインなどについて精通していなければなりません。競技のためだけに作られるレーシングカーには独自のノウハウが数多く存在します。そのため、まずは大学や大学院、専門学校で自動車設計に関する基礎知識を体系的に学び、その後、レーシングカー設計に関わる仕事に就いて知識を上乗せしていくのが一般的です。

メカニック(レース用の自動車整備士)

ここで言うメカニックは、レーシングカーを整備する役割を担う整備士のことです。レースを前にしたマシンのチューンアップ、コンディションの調整にはじまり、レース直前にはマシンの状態をドライバーやチームに伝え、レース中はピットインしたマシンのタイヤ交換、給油などピットクルーとしての作業も行います。
レース用のマシンに使用されているエンジンやパーツは市販車と違って特殊なため、その一つ一つに精通し、専門的な整備技術をもって作業に当たることになります。

レースメカニックになるには、まず自動車整備について学び、自動車整備士の資格取得を目指しながら専門学校や大学に通うことが前提となるでしょう。その後、レーシングチームやレーシングカー・コンストラクターに所属または就職し、レース用のメカニックについて知識や技術を身につけていきます。また、チームの一員として、メカニック班の一員としても、ほかのスタッフと緊密な連携を取りながら作業をするための協調性も必須です。

モータースポーツに携わる仕事に共通するのは、勝利という目標に向かって力を合わせ、力を注ぎ込むことです。とくにメカニック=自動車整備士はレースを裏で支える重要な職務を担います。モータースポーツに興味があるなら、整備について学び、自動車整備士になることを目指してみてはいかがでしょうか。

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