手先が器用な人に向いている仕事とは

手先が器用な人にはどんな仕事が向いているのでしょうか。仕事を選ぶとき、自分の長所を生かせる仕事かどうかを考えることはとても重要です。手先の器用さに自信のある人、手先を動かす作業に魅力を感じる人が向いている仕事について考えてみましょう。

医療系の仕事

手先の器用さが求められる医療系の仕事としてまず挙げられるのは外科医です。従来の開腹手術よりも、近年増えている体内に内視鏡や手術器具を挿入してモニターを見ながら行う腹腔鏡手術、内視鏡手術のほうが、より繊細な操作技術を必要とされます。人の命を預かる職業であるだけに、高いスキルを要求され、また評価を大きく左右します。

ほかにも耳鼻咽喉科医、歯科医なども細かい作業を行うことが多いでしょう。調剤行為を行う薬剤師も手先が器用な人に向いていると言われる仕事です。

美容系の仕事

美容師や理容師も手先の器用さが必須の職業です。カットでのハサミさばき、カラーリングなどのほか、理容師の場合は髭剃りもあります。不器用だからできないというわけではなく、練習を重ねれば技術は身についていきますが、器用なほうが上達が早いのも事実です。

美容系ではほかにもネイルアーティスト、アイリスト（まつ毛エクステなどのまつ毛ケアのプロ）、メイクアップアーティスト、エステティシャンなども器用さが求められる職業の候補に挙げられます。いずれも女性が多い仕事ですが、最近では男性の数も増えてきています。

技術系の仕事

技術系の仕事の中にも手先の器用さが重要な要素となるものが多くあります。自動車整備士もその一つです。分解や組み立て作業を素早く、正確に行えることが評価の基準となります。整備士の使命の一つは自動車の安全性を高めることであり、安全性に関わる作業に不備があることは許されません。ボルトやナットの締め方一つとっても確実に作業をこなしていくことが求められます。また車の板金や塗装は仕上がりの品質にこだわる作業であり、こちらも手先が器用な人に大いに適性のある仕事です。

機械メーカーなどで機械や部品の加工・組立をする仕事も似たところがあります。設計作業はCADが発達してきたおかげで手描きで図面を作成することはほとんどなくなりましたが、精密機械の加工や組立は1ミクロン単位の精度を追求する世界でもあります。
ハイテク精密部品の「金型」を作り出す金型組立工も、目に見えないほどの単位の位置調整などに力を注ぐ仕事です。日本人の手先の器用さ、技術力の高さが世界的に認められている分野とも言えます。

このように、手先が器用であることは仕事を選ぶときの強みになります。自分は器用な方だと思う人は、その特徴を生かせる仕事を探してみてはいかがでしょうか。そして美容が好きなら美容師やネイリストなど、車が好きなら自動車整備士など、といったふうに選択肢を絞っていきましょう。
ただ、手先の器用さはこれらの職業に就くための絶対条件というわけではありません。丁寧な仕事を心がけ、前向きに挑戦する気持ちがあれば、技術はあとからついてくるものだということも理解しておきましょう。