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エコカーとはどんな車を指す? エコカーの種類とそれぞれの特徴
エコカーという言葉はよく見聞きするものの、具体的にどのような自動車がエコカーなのかを正しく理解している人は意外に少ないのではないでしょうか。エコカーにはどのような種類があるのか、それぞれの特徴を改めて確認しておきましょう。
エコカーの定義とは
一般的にエコカーとは、二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などの排出量が少ない環境に優しい自動車であり、同時に燃費性能にも優れた自動車のことを指します。
しかし、エコカーという言葉の定義はあいまいです。似た言葉としては昔から低公害車という呼び方があります。最近ではCEV(クリーンエネルギー自動車)という言葉も使われています。どこからどこまでをエコカーと呼ぶかは人によって異なります。
ただ、基準がないわけではありません。エコカーの名前がよく知られるようになったのは、平成21年度(2009年度)税制改正で自動車重量税・自動車取得税の特例措置、いわゆるエコカー減税が始まってからでしょう。エコカー減税では特定の自動車の購入や買い替えに対して補助金が与えられることになりました。このエコカー減税の対象になっているのは、大まかに言えば国土交通省が定める排出ガスと燃費の基準値をクリアした、低排出ガスかつ低燃費な、環境性能に優れた自動車です。
エコカーの種類と特徴
エコカーの種類とそれぞれの特徴をみてみましょう。主なものは次の6種類になります。
*以下車種であれば必ずエコカー減税の対象になるとは限りません
ハイブリッドカー
エンジンと電気モーターの2つの動力を備え、両方を切り替えて走ることができる自動車です。低速走行時は電気で走り、加速して高速に入るとガソリンエンジンで走るのが一般的です。このことにより低燃費を実現しています。またブレーキ時や高速走行時に充電することができます。
最近は従来のハイブリッドカーに、家庭などのコンセントから充電できる電気自動車の性能が加わった、プラグインハイブリッドカーも現れています。
電気自動車
家庭用の専用充電設備や専用スタンドで充電した電気を使って、電気モーターを回転させて走行する自動車です。走行時には二酸化炭素や窒素酸化物などを含む排気ガスはまったく発生しません。
燃料電池自動車
水素を燃料として燃料電池で発電、電気モーターの動力を使って走る自動車です。電気自動車と比べて航続距離が長く、排気ガスを出さず、水蒸気(水)のみを排出します。
水素自動車
こちらも水素をエネルギー源としますが、燃料電池は使用しません。既存のガソリンエンジンやディーゼルエンジンを改造して水素エンジンとし、直接、燃焼して推進力を得ます。水素をガソリンや軽油の代わりに内燃機関の燃料として使うということです。ただし、現在開発されている水素自動車は、水素とガソリンの両方を使用するものがメインとなっています。
天然ガス自動車
天然ガスを燃料とする自動車です。現在、最も普及しているのは圧縮天然ガス(CNG)自動車です。他に液化天然ガス(LGN)自動車、吸着天然ガス(ANG)自動車という異なる方式の天然ガス自動車があります。
第3のエコカー
従来のガソリン車の技術を発展させ、ハイブリッドカー並みの低燃費を実現した自動車です。低燃費ガソリン車とほぼ同じと考えて良いでしょう。第3とは、ハイブリッドカー、電気自動車に次ぐエコカーという意味です。ガソリン車なので製造コストを抑えることが可能で、特別な充電スタンドなども必要ないのが強みです。
エコカーの研究開発はここ数年、急速に推し進められています。今後は現在のエコカーのさらなる進化や、新しいエコカーが登場する時代へと移行していくでしょう。エコカーに関わる新しい技術や市場における需要とトレンドについて、しっかりと理解しておくことが求められます。