- TOP>
- TAUSコラム>
- 自動車整備士のノウハウ>
- 自動車整備士が行う板金塗装の主な仕事内容
自動車整備士が行う板金塗装の主な仕事内容
自動車整備士の仕事の中でも、板金塗装は車体(ボディ)の修理・修復に特化した仕事といえます。具体的に、板金塗装とはどのような仕事をするものなのか、主な仕事内容ややりがいについてご紹介しましょう。
自動車整備士が行う板金塗装とは?
まず、自動車整備士の仕事には大きく分けて点検整備、分解整備、板金塗装の3つがあります。
点検整備はいわゆる車検(継続検査)、日常点検、12ヶ月点検などの定期点検を、自動車の使用者に代わって行うものです。また、分解整備はエンジン、ドライブシャフトやプロペラシャフト、ロアアームやベアリングといったパーツを自動車から取り外し、修理と点検、改造などを行う作業です。
そしてもう一つが板金塗装です。ここでは板金塗装の仕事内容について説明します。
自動車整備士が行う板金塗装の仕事内容
板金塗装は、板金と塗装の2つの作業に分けられます。それぞれの仕事内容をみてみましょう。
板金
板金とは主に、ぶつけたり擦ったりしたことで自動車の外形であるボディが変形した際に、その箇所の形を整えて修理する作業です。
外板パネルをハンマーとドリー(当て盤)を使って叩いたり、ならしたりすることで形を整えていくハンマリングや、パネルのへこみを表側から引っ張る引き出し作業などを駆使して、ボディの形を整えていきます。
ほかには、フレーム修正機などの機械(道具)を使ってフレームや内板骨格など、自動車の骨格部分を修理することもあります。また、外板パネルなどの損傷が激しい場合はパーツを交換するケースもあります。
塗装
塗装は、板金によって形を整えたボディに、調色した塗料を塗り、周囲の色合いと同調させ、塗装したことが簡単にはわからないレベルにまで美しく仕上げる作業です。工程としては、塗装のための下準備に当たる下地工程、現状の車体と同じ色の塗料を調色し、ボディに塗布していく塗装工程、最後に塗料による凹凸やごみなどを除去して美しく仕上げる磨き工程があります。
なお、板金塗装には自動車整備士の資格が必須というわけではありません。しかし、板金塗装に従事する人の多くが専門学校などで板金塗装に関する技術を学び、自動車整備士の資格も取得しています。その後、鈑金塗装会社やディーラーの板金塗装部門に就職して働き始めます。板金塗装は職人色の強い仕事であり、この世界で一人前と呼ばれるようになるには10年程度の経験が必要になるといわれています。
板金塗装のやりがい
板金塗装は簡単にいえば、車体にダメージを受けた車をもとに戻す仕事です。需要は高く、もとどおりといえるレベルにまで修理することができればお客様に喜んでもらえます。自分の技術と知識、工夫、コツコツとした努力を駆使して車を直し、感謝されたときの達成感は、この仕事ならではのものといえます。
もちろん、そのためには高い技術力=熟練の技が必要です。技術を得るには経験を積まなくてはなりませんが、逆にいえば多くの経験を積み重ねながらスキルアップをしていくという楽しみがあります。まさに「手に職をつける」ということを実践しつつ、常に成長していくことができるのが板金塗装の仕事です。
そうした仕事のやり方に意義を見い出せる人なら大きなやりがいを感じるでしょう。もちろん、車好きな人、車いじりが好きな人にとっても楽しく、奥が深い仕事です。
東京自動車大学校には、1級整備士コースもしくは2級整備士コースを修了された方を対象とした「ボディクラフト科」があります。
この科は板金塗装の技術を身につけて、整備士としてスキルアップし、事故車の修復からお客様の好みに合わせたカスタマイズまで、幅広く対応できるクリエイティブな整備士を育てることを目的としています。板金塗装に興味があるなら、まずは当校に入学しボディクラフト科へ進むことで、基礎的な力を身につけることをおすすめします。