吸着天然ガス(ANG)を使った自動車の特徴とは?

吸着天然ガス(ANG)を使った自動車の特徴とは?

吸着天然ガス(ANG)を燃料にして走るANG自動車、あるいはそれを含む天然ガス自動車は、今後、自動車業界に新しいトレンドを作り出すかもしれません。それは何が新しく、どのような特徴を持った自動車なのでしょうか。ここでは次世代の天然ガス自動車であるANG自動車についてご紹介しましょう。

ANG自動車とは?

ANG自動車とは、吸着天然ガス(ANG)を燃料とする自動車のことです。ANGは「Adsorbed Natural Gas」の略です。吸着天然ガス自動車とも呼ばれます。

天然ガス自動車として知られる自動車には、このANG自動車に加えて圧縮天然ガス(CNG)自動車、液化天然ガス(LGN)自動車の3種類があります。この中でANG自動車は現在まだ試験研究の段階にある方式です。

天然ガス自動車が注目されているのは環境に優しい自動車であるためです。排出される窒素酸化物はガソリン車と比べて大幅に、二酸化炭素もかなりの量が削減され、硫黄酸化物については100%なくなります。また黒煙も発生しません。

さらに、天然ガスは価格変動も比較的緩やかです。ガソリンなどに比べて急激な高騰などのリスクが少ない点もメリットの一つです。

吸着天然ガスとは?

吸着天然ガスはガス容器内の吸着剤に天然ガスを吸着させ、数メガパスカルの圧力をかけて貯蔵可能にした燃料のことです。
現在のところ、吸着材には活性炭などの炭素系素材、ゼオライト、リン酸アルミニウムなどが用いられているようです。

ただ、天然ガス自動車の中で現在最も普及しているのは、天然ガスを気体のまま圧縮してガス容器に貯蔵して燃料とするCNG自動車です。CNGは「Compressed Natural Gas」の略です。
しかし、ANG自動車の特徴として、CNG自動車よりも低い圧力でより多くの燃料を確保できると言われています。つまり、圧縮天然ガスや液化天然ガスでは必須であった高圧タンクや低温貯蔵装置が不要になるということです。そのため今後の研究開発の進展に期待が寄せられています。

ANG自動車の今後の課題

ANG自動車の今後の課題は、貯蔵容器の大きさ(スペース)と重さの制約をいかにクリアするかという点にあります。

また、メタンの低圧化で、ボンベの設計自由度がどのくらい増すのかも未知数な部分を残しています。さらに天然ガスを吸着剤に吸着、脱着させる速さが燃料の充填速度に直結すると考えられるため、そのスピードアップも必要かもしれません。吸着、脱着に関しては、常温を超える場合にどうなるかという温度依存性も課題の一つとされています。
ANG自動車に限らず、CNG自動車などを含む天然ガス自動車そのものの課題としては、燃料の補給場所が少ないことも挙げられます。ANG自動車が普及するなら、ANGを補給できるエコ・ステーションなどの専用スタンドの拡大など、インフラの整備が進むことが必須となるでしょう。

ANG自動車はまだまだこれからの技術であり自動車です。ANG自動車を含む天然ガス自動車が今後どのような展開を見せていくのか、その動きを注視していきましょう。

  • Wスクール

    TAUSは技術力と大学卒業資格を同時に身につけることができます。

  • ボディクラフト科

    最新鋭の設備・機材で最高のスキルを修得できます。

資料請求、オープンキャンパス・学校見学のお申し込み、各種お問い合わせはお気軽にどうぞ

  • ご不明点・ご質問はこちら 受付時間:平日9:30〜17:30 0120-02-2535