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自動車整備士が働く工場の種類にはどのようなものがある?
自動車整備士が働く場所の一つに整備工場があります。ただし、整備工場には「認証工場」と「指定工場」の2種類があり、就職の際はその違いを知っておくことが必要です。ここでは自動車整備士が働く工場の種類についてご紹介しましょう。
自動車整備士が働く整備工場の種類にはどのようなものがあるの?
自動車の整備工場には認証工場と指定工場の2種類があります。このいずれかの指定を国(地方運輸局長)から受けていなければ車の分解整備をすることはできません。このことを守らず、指定を受けていない工場で分解整備を行うことは違法となります。
分解整備とは原動機(エンジン)、動力伝達装置(ドライブシャフト、プロペラシャフトなど)、走行装置(フロントアクスルなど)、操縦装置(タイロッドエンドなど)、制動装置(ディスクキャリパーなど)、緩衝装置または連結装置(リーフスプリングなど)を取り外して行う自動車の整備または改造のことです。このことは国土交通省令で定められ、道路運送車両法第三条に規定されています。
認証工場で働く自動車整備士の仕事内容
認証工場は自動車分解整備事業をすることを地方運輸局に認められた工場です。認証工場で働く自動車整備士は主に次のような仕事を行います。
点検整備
いわゆる車検(継続検査)や、12ヶ月点検などの定期点検、日常点検を行います。ブレーキの効き具合、点火プラグの状態など検査項目は自動車の各部にわたります。
分解整備
上述した自動車の主要パーツを取り外して行う整備です。例えばブレーキキャリパの取り外しも分解整備に含まれます。分解整備を行う事業場には分解整備に関する統括責任者である「整備主任者」を選任することが必要で、整備主任者になるには2級整備士以上の資格を有していなければなりません。
緊急整備
事故や故障に伴う、急を要する整備・修理です。
その他
他には、自動車整備士の資格がなくてもできるオイル交換やタイヤ交換も担当します。また、工場によっては整備士もフロント業務と呼ばれるようなお客様の対応業務を担当することがあります。
指定工場で働く自動車整備士の仕事内容
指定工場も自動車分解整備事業をすることを地方運輸局に認められた工場です。認証工場との違いは、車検(継続検査)のための検査を国に代わって自社工場で行うことができる点です。
そのため整備士としての仕事内容は認証工場の場合と似ていますが、点検整備の中でも車検に関わる業務については担当業務が異なります。
車検を行う際は、「自動車検査員」という資格を持つ者が検査業務の指導や監督、書類の作成などを担当します。自動車検査員の資格を得るには、整備主任者として1年以上の実務を経験し、地方運輸局長が行う自動車検査員教習を受講し修了試験に合格する必要があります。
車検作業は受入検査、中間検査、完成検査の順で実施していきます。整備士は自動車検査員が作成した指示書などをもとに点検作業に入り、必要に応じて部品交換や分解清掃などを行います。その後、指定工場の場合は工場内の検査ラインを使って完成検査を実施、保安基準に適合しているかどうかを確認します。
これに対し認証工場の場合は、点検整備はできても検査については車検場に自動車を持ち込んで行うことになります。
自動車整備士が働く整備工場には2種類あり、仕事内容も変わってくることがおわかりいただけたでしょうか。就職・転職の際はどのような種類の工場で、どのような仕事内容になるのかを確認しておきましょう。