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自動車整備工場で働く整備士のキャリア! 独立開業の道も?
自動車整備工場で働く整備士は、どのようにしてキャリアアップしていくものなのでしょうか。独立開業する道も含めて、自動車整備士のキャリアについて考えます。
自動車整備工場での整備士の仕事
自動車整備工場での自動車整備士の仕事は、一般整備と車検がメインです。日常的な点検や定期点検(12ヶ月点検など)を通じて不良箇所が見つかったときには、エンジンなど特定箇所の分解整備も行います。
また、こうした整備作業以外にも、整備士が故障診断、見積もり業務、納車、場合によっては営業などを行うことがあります。
指定工場と認証場の違い
ところで、民間の自動車整備工場には指定工場と認証工場があります。それぞれの工場内には「指定自動車整備事業」(指定工場)、「自動車分解整備事業」(認証工場)というプレートが掲げてあり、誰でも確認することができます。
両者の違いはどこにあるのでしょうか。まず、自動車の分解整備を行うには地方運輸局長の「認証」を受けなければなりません。この認証を受けた工場が認証工場です。さらに認証工場のうち、地方運輸局長によって指定を受け、陸運支局に代わって車検(検査)を行うことができる工場が「指定工場」です。
指定工場は民間車検場、民間車検工場とも呼ばれ、車検の際の検査をその工場内で行うことができます。車の所有者は指定工場で検査を終えると、あとは点検整備記録簿などの必要書類を陸運支局に持っていけば新しい車検証を交付してもらえます。
国から認証工場や指定工場と認められるためには、自動車整備士のほかに1名以上の「整備主任者」選任が必要です。また、指定工場として認められるには、「自動車検査員」(自動車の検査を行う者)を選任する必要があります。
自動車整備工場での整備士のキャリア
自動車整備士の資格を取得して整備工場で働くようになったあとは、整備主任者になることを目指すというキャリアアップの道があります。整備主任者になれるのは2級以上の自動車整備士のみです。整備主任者は工場から専任されるものなので、資格や試験があるわけではありません。その代わり「自動車整備主任者研修」という研修を毎年度1回、定期的に受講する必要があります。
一方、指定工場における自動車検査員になるには資格が必要です。自動車検査員は車検などの検査で、検査に関する業務指導や監督、検査設備の管理、最終的な完成検査などを担当します。資格の取得条件は、整備主任者として1年以上の実務経験があること、整備主任者研修を受講していること、勤務先が指定工場であること、などです。つまり、2級以上の自動車整備士が整備主任者になり、次に自動車検査員の資格取得をする、というコースが考えられるということです。
ほかには工場長などの役職に就いてマネジメントを行うようになる道も考えられます。あるいは営業職などを積極的に行なって、セールスエンジニアになるなどして収入を上げていく方法もあります。整備関係ではあるけれど、希望する仕事内容や職場環境を求めて転職してキャリアを重ねる人も多くいます。
自動車整備工場を独立開業するには
もうひとつ、自動車整備士として経験を積んだあと、みずから自動車整備工場を作って独立開業するという将来像も考えられます。
自動車整備業を開業するためには、認証工場として認められなければいけません。認証工場として認めてもらうには、
- 分解整備に従事する従業員を2人以上置く
- 分解整備に従事する従業員のうち、整備主任者を1人以上置く
- 従業員のうち、3級以上の整備士を4分の1以上の人数置く
- 整備する自動車に対応した作業場と機械設備をそろえる
という条件をクリアする必要があります。
整備工場を作る開業資金は、店舗建設費、内装工事費、場合によっては土地代、さらに専用機材や設備をそろえる費用、人件費、運転資金などを含めて2,500万円~1億円といったところが目安になります。
現場で整備の仕事に従事するだけが整備工場の整備士の仕事ではありません。将来、何を目標にするのか、早い時期から考えておくことをおすすめします。