空港で働く地上支援車はどんなものがある? どんな仕事をするの?

空港で働く地上支援車はどんなものがある? どんな仕事をするの?

空港を利用するとき、さまざまな特殊車両が行き来しているのを見て、車好きな人なら興味を抱いたことがあるかもしれません。地上支援車と呼ばれるこれらの車両にはどんな種類があり、どのような役割を果たしているのでしょう。代表的な地上支援車を取り上げてご紹介します。

トーイングカー(トーイングトラクター)

トーイングカーは空港内で地上に止まっている航空機を移動させるための作業車です。プッシュバックで航空機をバックさせることも、トーイングで牽引して前進させることもできます。どちらの場合もトーイングカーは航空機の機首側に位置します。

トーイングカーには、トーバーと呼ばれる特殊な金属バーを使って航空機と連結して作業するタイプと、トーバーを使わずに旅客機の前輪を抱え込むようにして持ち上げて移動させるトーバーレスタイプの、主に2種類があります。

一般的なトーイングカーの重量は50t以上と超重量級ですが、航空機と比べればはるかに小さな車体で航空機を操るさまは一見の価値があります。

ハイリフト車、ベルトローダー車

ハイリフト車は旅客機の貨物室に積載するコンテナやパレットの積み下ろしに使用する車です。荷台を上下動して高さを調節できるほか、ローラーを前後に動かしてコンテナを運び入れたり運び出したりできます。ちなみに航空機の貨物室内もローラーが備えられていて、中でコンテナを移動させることが可能です。

また、航空機にはバルクカーゴ(バルク貨物室)と呼ばれる貨物室があります。後方貨物室のさらに後ろに作られたスペースで、ここには単体の受託手荷物(バラ積み貨物)や、預かったペットなどを載せることができます。ベルトローダー車はこの貨物室への荷物の積み下ろしができる車両です。高さと角度が調整できるベルトローラーをバルクカーゴにセットし、荷物の積み下ろしができます。

パッセンジャー・ボーディング・リフト

車椅子やストレッチャーを使用する乗客が航空機に乗り降りする際に使用するのがパッセンジャー・ボーディング・リフトです。空港の旅客ターミナルと機内の間をこのリフトだけで行き来できます。

見た目はX型アームの付いたリフトで高さ6~8mまで上昇する箱型の客室を後部に積んだトラックといったところです。客室には車椅子4台程度分のスペースがあります。

パセンジャーステップカー

パセンジャーステップカーはいわゆるタラップです。通常、航空機をターミナルに直接横づけしたときにはパセンジャーボーディングブリッジという、移動可能で箱型の歩道橋のような設備を使って乗客の乗り降りを行います。これに対し、ターミナルから離れた場所で乗客が乗り降りするときには、トラックと階段(ステップ)が合体したようなパッセンジャーステップカーを使用します。乗客はその階段を降りて、バスなどでターミナルに移動します。

パセンジャーステップカーの階段部分は、一般の乗客が使用するときは屋根付きのものが用意されることがほとんどです。しかし賓客の来日などでは屋根なしのものが使用され、航空機から手を振りながら降りてくるようなニュース映像などでおなじみです。

このように空港内ではさまざまな地上支援車が働いています。どのような車がどんなシーンで活躍しているのか、空港を利用するときにはぜひ注目してみてください。

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