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整備士が使っている工具の種類
整備士は様々な工具を使いこなす職業です。ハンドツールと呼ばれる手動工具から電動工具、空圧工具など、知っておきたい整備士用工具についてご紹介しましょう。
整備士が使う主な工具
整備士が使う工具の中でも特徴的で、よく使用する工具を挙げてみましょう。
ラチェットレンチ
ボルトやナットを緩める&締めるときに欠かせないのがレンチです。一般的にはメガネレンチやスパナレンチが知られており、このうち整備士がよく使うのはメガネレンチです。そしてそれ以上に使い勝手の良いレンチがラチェットレンチでしょう。ラチェットレンチはラチェット機構によって一方向のみに回転するのが特徴で、ボルトなどを素早く緩めて外す(または締める)ことができます。
加えて言えば、自動車整備ではハンドルとソケットが一体化したタイプのラチェットレンチよりも、ラチェットハンドルと各サイズのソケットを組み合わせて使うタイプの製品のほうがより便利です。ヘッド部分が180度回転するタイプもあり、レンチが入りにくい奥まった場所のボルトを扱う場合でも使いやすく、1つ持っていると重宝します。
インパクトレンチ
一方、タイヤのホイールナットなどを扱うときはインパクトレンチを使うことが多くなります。インパクトレンチは電動または圧縮空気を使って内蔵モーターを回転させる仕組みのレンチで、手で回すよりも簡単に大きなトルクをかけてナットなどを緩められます。
電動と圧縮空気(エアインパクト)のどちらが良いかは人によって意見が異なるようです。電動はパワーが物足りない、充電が欠かせない、コード式だと発熱が高くバッテリー式だと重くなるなどの声も耳にします。かたや、圧縮空気はホースの取り回しが大変で、メンテナンスにも手間がかかるという人もいます。どちらもそれぞれの弱点を補うような製品も出ているので、よく行う作業の種類や好みによって選ぶことになるでしょう。なお、車によってはホイールナットの脱着にインパクトレンチの使用が禁止されているものもあるので注意しましょう。
各種ハンマー
車の整備で最もよく使う道具は、もしかするとハンマーかもしれません。部品などを取り外す際に使うほか、固いボルトやナットにレンチをかけてハンマーで叩く、ピンポイントで叩きたいたときに当てハンマーをして別のハンマーで叩くといった使い方もします。
金属ハンマー、ボールピンハンマー、プラスチックハンマーなどを使い分けることが多いでしょう。また板金作業では、ならしハンマー、絞りハンマー、バンピングハンマー、ゴムハンマーなど、もっと多くの特殊なハンマーを使いこなしていくことになります。
プロ仕様の高級ブランド工具
工具にこだわるなら、整備士に人気のある工具メーカーについても詳しくてなっておきましょう。中には有名工具メーカーが発売している高級ブランド工具と呼ばれるような製品もあります。
最も広く名前が知られているのは、アメリカの大手工具メーカーであり、世界的にブランディングを展開している「スナップオン」でしょう。ソケットレンチを発明したメーカーとしても有名です。ハンドツール類や一部の工具には永久保証が付いており、使用不可能になったときは修理または交換されることが約束されています。レンチなどは使い勝手の良さはもちろん、鏡面仕上げの美しさにも定評があります。また米軍の戦闘機整備用としても採用されています。
「マックツールズ」もアメリカの工具メーカーです。シンプルで使いやすく、機能美と耐久性を備えた工具の数々で知られています。こちらも価格が高価であることで知られ、高級ブランド工具と言って良いでしょう。
国内でシェア1位の座についているのは「KTC(京都機械工具)」です。こちらは実用性と性能の高さで多くの整備士の支持を得ています。一方で高級路線のネプロス(nepros)というブランドも展開して、海外製品に対抗しています。
工具は整備士にとって頼りになるパートナーのようなものです。技術を磨くのはもちろんですが、自分の手に馴染む使いやすい工具を手に入れることも意識しておきましょう。