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レストアのベース車で人気の車とそれぞれの特徴
最初からレストアされた車を購入する場合を除けば、旧車をレストアするにはまずベース車を選ばなくてはなりません。ベース車とは何か、どうやって選ぶのか、どんな車が人気なのかなど、ベース車について知っておくべきことをご紹介しましょう。
レストアのベース車とは?
ベース車とは、旧車やノスタルジックカー、クラシックカーなどと呼ばれる古い車を、レストアによって再生する際の元となる車のことです。ベース車両と呼ぶこともあります。また、レストアとは、経年によって劣化もしくは故障した車両、ときには廃車同然の車を、「公道を走行できるレベルの状態」ないしは「新車に近い状態」にまで復元することを意味します。
ベース車を購入するときの選び方
ベース車を購入するときに気をつけたいポイントは以下のとおりです。
錆や腐食がひどいものは避ける
旧車の多くはどこか車体の一部が経年によって劣化しています。その中でも特に注意したいのが錆や腐食の程度です。自動車の床部分であるフロアパンやエンジンルームなど、重要な部分がひどく錆びている、腐食して穴が開いているような状態だと、ベース車にふさわしいとはいえません。錆がひどくても修理することは可能ですが、後からトラブルが生じるリスクが大きくなります。
レストア情報が入手しやすい人気車種を選ぶ
自分の手でレストアをするにしろ、専門ショップのレストア技術者に依頼するにしろ、なるべくなら過去にレストアされた実績が多くある人気の車を選ぶのがベターです。そのほうがレストアに関する情報を得やすく、部品やパーツも手に入りやすいためです。これまであまりレストア例が多くない車をあえて選ぶのも1つの選択ですが、その場合は手間も時間も費用もかかることになります。
現物は必ず見て確認する
ベース車を購入するときは必ず現物を自分の目で見て確認するべきです。外装、内装、エンジン、ブレーキやハンドル、修理箇所、前述の錆の有無、保管状態などチェックポイントはたくさんあります。運転席に座ってみたフィーリングなども大事です。
信頼できるショップを選ぶ
特に大事なのはこれかもしれません。旧車やレストアに詳しい信頼できるショップに出会うことができれば、良い個体を紹介してもらえる確率は格段にアップします。そのようなショップではこちらの希望をヒアリングして、どんなベース車を選べば良いのかアドバイスをしてくれるでしょう。まずはショップ選びから始めるのが、結果的に良いベース車に巡り会える近道です。
レストアで人気! ベース車の種類と特徴
レストアのベース車として人気があるのは次のような車です。
日産スカイライン
1968年から1972年まで生産された通称「ハコスカ」、1972年から1977年まで生産された「ケンメリ」の2つのモデルが特に人気。
ハコスカはその名のとおり、ボディの形状が箱のように角張っているのが特徴です。ケンメリは当時の「ケンとメリーのスカイライン」というキャッチコピーから来た呼び名。ハコスカと比べてリアからテールにかけての形状がなめらかな流線に変わっており、テールランプも丸くなりました。両者とも人気を集めているのはGT-Rです。発売当時、より多く生産され売れたのはケンメリのほうでした。
日産フェアレディZ
フェアレディZも日産自動車を代表するスポーツカーです。需要が高いのは1969年から1978年まで生産された初代「S30型系」などですが、歴代のモデル全般に人気があるのも特徴です。駆動方式はFRを代々継承。エンジンは3代目までは基本的に直列6気筒で、その後はV型6気筒へと変わりました。前身である「ダットサン・フェアレディ」にもファンがいます。
スプリンタートレノ・カローラレビン
1983年にトヨタ自動車が発売したスプリンタートレノとカローラレビンは、「AE86」という共通車両型式番号で知られています。通称は「ハチロク」。
軽量小型FR車でサスペンションの改造が容易だったことから、1987年に製造終了してから再評価され人気を得ました。ブームの火付け役となったのは1995年から連載が始まった漫画「頭文字D」。主人公・藤原拓海の愛車は「AE86 スプリンタートレノ GT-APEX 3door(1983年式 前期型)」。トレノ、レビンとも、今も根強い人気を保っています。
ベース車をチェックし、迷いながら選ぶ作業から、旧車をレストアする楽しみは始まっています。慎重に時間をかけて、あなただけの1台を選んでください。